レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「そうか、華帆。お前、こいつと……」
修二さんが、そう言い放ったとき、冷静だった深谷さんの顔色が変わって、彼に詰め寄る。
そして、胸ぐらをつかむと、聞いたこともないほどの大きな声を上げた。
「お前と一緒にするな。彼女は、そんな女じゃない」
それだけ言うと、その手を離して、再び私の方に歩いてくる。
「お前、自分の女をそんな風にしか思えないのか。最低だな」
私の肩に手をかけて、立ち上がらせてくれた彼は、そんな言葉を吐きだす。
「行こう」
そのまま深谷さんは、私を玄関から連れ出そうとする。
「華帆、本当にお前……」
後ろから追いかけるように吐き出される、修二さんの言葉。
「もう、好きじゃない」
私がそう言い終わった時、玄関のドアがガチャンと閉まった。