レッスン ~甘い恋の手ほどき~
温もり
自分の下着を握り締めたまま、彼の車に乗る私。
きっとそれに気がついた彼が、後ろの座席にあったひざ掛けをかけてくれる。
「ごめん。遅くなってしまった」
唇を噛みしめながら、そう言う彼に、私は首を振る。
彼のおかげで、これで済んだ。
そして、修二さんに、自分の気持ちを伝えることだってできた。
無言で車を走らせていた彼が、大きな手を伸ばして私の手を包み込んだ。
「震えて、る」
彼のその言葉で、緊張の糸がプツンと切れてしまう。
後から後から流れだす涙は、止まることを知らない。
ずっと握っていてくれた手から、彼の体温が伝わってきて、やっと息を吸うことができる。