レッスン ~甘い恋の手ほどき~
マンションの駐車場から、昨日とは違う入り口を通って部屋へと向かう。
ここなら、あまり目立たなくて済む。そんな彼の心遣いにも、涙が溢れる。
また、来てしまった。
どれだけ彼に迷惑を――。
玄関の扉が閉まると同時に、ふわっといい香りがして、彼に抱き寄せられる。
「怖い?」
私が首を横に振ると、一層強い力で抱き寄せられる。
「ごめんな……さい」
「謝るな。何も、謝らなくていい」
ほんのり感じる温もりは、ズタズタに傷ついた私を、癒してくれるだろうか。