レッスン ~甘い恋の手ほどき~
やっと、嗚咽が治まってきた私の髪を、ずっと梳いてくれていた彼が、ゆっくり、だけど、はっきりと言う。
「華帆、好きだ――」
彼のその言葉に、鳥肌が立つ。
「好き」
とてもうれしい言葉なのに、今の私には痛くて仕方ない。
「ごめん。今の華帆には酷かもしれない。
だけど……どうしても伝えたい。本物の好きという気持ちを。
俺、華帆があんなことになって、はっきり言って逆上した。あいつを殺したいほど憎いとも思った。
自分にそんな激しい感情があるなんて、知らなかったよ。
やっぱり、確信したんだ。俺は、華帆が好きだって。
何度でも伝えるから。華帆が、振り向いてくれるまで」
本物の好き――。
今の私には、それが何だか分からないの。