レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「ごめんな、さい」
「ほら、また謝った。いいから、俺の片思いで」
なかなか寝付くことのできない私につきあって、ソファーでいろんな話をしてくれた。
小さい頃は、やんちゃ坊主で、よく服を破って怒られたこと。
初めて告白されたのが、男の子からだったこと。
そんな話で、少しずつ私の緊張が解れていく。
「華帆、目を閉じてごらん?」
一杯だけ飲んだワインが、私の頬を赤く染めてきた頃、彼が自分の肩に私を寄りからせてくれて、そうささやく。
疲れた。
いろんなことが一気に押し寄せてきて、本当に疲れた――。
勝手に流れ出した涙を、彼が拭ってくれた感覚の後、私の記憶は途切れた。