レッスン ~甘い恋の手ほどき~
第2章
私のままで
コーヒーのいい匂いに誘われて、目を覚ます。
いつの間にか、ベッドに運ばれていた私。
カーテンの隙間から、太陽の光が射し込んでいて、私はあわてて飛び起きた。
決して寝起きは悪い方ではないのに。
疲れすぎていて、深く眠ってしまったのかもしれない。
そっと、リビングに続くドアを開けると、彼と目が合う。
「おはよ」
「おはようございます。すいません、私……」
「まだ、眠っていてもよかったのに」
そういう彼は、コーヒーを片手にパソコンで作業をしていた。
その手を止めて立ち上がると、私の方まで歩み寄る。
「眠れた?」
「はい。ありがとうございます」
「そうか、良かった。今日は、まず会社に行こう。みんなに紹介したいから」
そういう彼の言葉に、ハッとする。
私、本当に――。