レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「あれっ、深谷さん。美人、連れてる」
その一室のドアを開けた時、そんな声が飛んできて、一瞬たじろいでしまう。
「あっ、昨日言っていた、秘書をお願いした片桐君だ。よろしく」
「よ、よろしくお願いします」
突き刺さるような視線に、ドギマギしながら、頭を下げると、たくさんの声。
「俺、好みだなぁ。彼氏いますか?」
「メアド、教えてください」
あっという間に、その部屋にいた人達数人が、私たちを取り囲んで、ひどく驚いてしまった。
「もう、ほら、散れ。彼女は俺が狙ってるから、手、出すなよ?」
深谷さんの一言に、更に驚く私。
そんなこと、堂々と……。