レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「だけどさー、深谷さんがあんなこと言うなんて、相当本気だぜ? あの人、今までそんなこと一度だって口にしたことないだろ」
「ねぇ、もう口説かれちゃったりしてるの?」
「いえ……」
矢継ぎ早に飛び交う質問に、しどろもどろになってしまう。
何だろう、この雰囲気。
そんなことを会社で話せてしまう事に驚きつつ、それでもなんだか温かいものを感じる。
深谷さんが「自慢の部下だ」と堂々と口にした彼らはまた、深谷さんへの絶対的信頼もある気がして、すごい団結力を感じる。
「一回、フラれたんだ。うるさい奴らだ。早く仕事しろ」
私がちょっと返事に困っていると、ドアを少し開けてそう言う彼に、また驚く。
フッただなんて……。