レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「俺に、こうされるの、嫌か?」
腰のあたりに置かれていた彼の手が、私を一層引き寄せる。
嫌じゃない――。温かくて離したくない。
間近で感じる彼の少し早い鼓動と、ちょっぴりお酒の入った男の匂い。
だけど、修二さんに感じていたような、不安は少しも感じられない。
どうしてだろう。今まであんなに震えていたのに。
けれど……。
「俺はすごく気持ちいい。好きな女に触れられて」
彼のその言葉に、一瞬身を固くする。
ドクッと、突然大きく打ち出す心臓。
彼は男なんだ。修二さんと同じ――。
そんな当たり前のことを意識すると、たちまち緊張が走る。
「心配するな。もう、これで十分だ」
彼の大きな手が私の後頭部に回って、離れようとした私を繋ぎとめる。