レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「えっと……悠人(ゆうと)、さん」
とても恥ずかしかったけれど、思い切ってそう言うと、プイっと顔を背けてしまった彼。
えっ、何かいけないこと……。
彼のそんな仕草に、少し慌ててしまう。
「あのっ、悠人さん」
「待て。ちょっと顔が火照るから、こっち見るな」
私が起き上がろうとすると、それを制してそんなことを言う。
会社ではあんな鋭い眼をしている彼が、名前を呼んだだけで、こんなになってしまうなんて、何だかおかしい。
だけど、心が温かくなるのを感じた。
この人は、本気で私の事を……。
そう、思えたから。