レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「華帆、今日はもう寝よう」
もう一度、私を布団に潜り込ませた彼が、優しく私の頭をなでながらそう言う。少し、照れくさい顔をしながら。
「目を閉じて?」
そう言った彼は、私の目に手をおいて、ゆっくりそれを閉じさせた。
「そうだな、会社の奴について話そうか」
彼はそのまま、ゆっくりとした、低いトーンで口を開いた。
「山中っているだろ?」
背の高い、ひょろっとした人だ。
「あいつ、なかなか見かけはいいから、女の子にはもてるんだけど、すぐに別れちまうんだ。
あいつな、オタクなんだ。ゲームの世界に浸ってる。ゲームのキャラを愛してるんだ。しかも本気で。内緒だぞ?
だから、IT関係は長けていて、うちには大事な戦力なんだよ」
クスクス笑いながら、ゆっくり続ける。