レッスン ~甘い恋の手ほどき~

小鳥のさえずりに誘われて、ゆっくり瞼を持ち上げる。
こんなに深く眠れたのは、きっと久しぶりだ。ずっと不安の中で、生活していたから。



手に温もりを感じて、顔を横に向けると、規則正しい呼吸を繰り返す、悠人さんが、私の手を握って、頭だけをベッドに乗せて眠っていた。



まさか……ずっと?



彼の閉じた目を、まじまじと見つめてしまう。
いつもはメガネの奥に隠れている睫は、近くで見ると恐ろしく長い。


やっぱり疲れていたんだ。こんな風に眠り込んでしまうほど。それなのに彼は、私のところに来てくれた。



スーツの上着を脱いだだけの格好で、きっと窮屈だったに違いない。
とても申し訳なく思ったけれど、同時にとてもうれしいとも思った。

ゆっくり繋がれた手をほどいて、ぐっすり眠っているように見える彼に、ブランケットをかけて、そっと部屋を出た。







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