レッスン ~甘い恋の手ほどき~
会社の裏手にあった、こじんまりとしたおしゃれなカフェ。
「あれ、深谷さん、女の子連れてる」
そこのマスターらしき人が、そんな声を上げる。私が初めて会社に出社したときと同じ反応だ。悠人さんが女性を連れているのは、そんなに珍しいことなの?
「あぁ、新しい秘書。片桐」
「片桐です」
彼がそう紹介してくれたのにあわせて、頭を下げる。ふっと目が合ったマスターは、ニッコリ微笑んだ。
「へぇ、このお嬢さんはできる人なんだね」
「まぁね」
二人のその会話の意味がよくわからなくて、首を傾げていると、マスターが小声で私に耳打ちする。