レッスン ~甘い恋の手ほどき~
キスを
私はあれから、時々彼の部屋に行くようなった。
どうしようもなく不安になるとき、上手く食べられそうにないとき……。
ひどく身勝手だとは思ったけれど、彼はイヤな顔一つせず、迎えてくれた。
「華帆はまだ、リハビリ中だから」
といって。
時々、彼のために食事を作った。
忙しすぎて、食事さえままならない彼の姿を見ていると、たっぷり野菜の取れるメニューを作りたくなるんだ。
特別上手い訳じゃないのに、すごく美味しそうに食べてくれる彼につられて、私も食事の量が、少しずつ増えていった。
「悠人さんが一緒だと、食事が美味しい」
思わずそんな言葉を吐くと、彼がにっこり笑って、また私の頭を撫でる。