レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「悠人さん、暖かい」
「華帆の体温が低すぎるんだ。怖く、ないか?」
いちいち、そんな風に確かめてくれる彼の優しさに、涙が出そうになる。
「気持ち、いいです」
「煽るなよ」
彼が私の背中をとんとんと叩いてくれて、眠りを促そうとするのが分かる。
その温もりが、私の頑なな心を溶かしてくれる。
「華帆、好きだよ」
何度も繰り返し、そう伝えてくれる彼。
ズタズタになるまで傷ついてしまったけれど、もう一度、恋をしてもいいかもしれない。こんな私にだって、素敵な恋ができるのかもしれないって、思わせてくれる。
「悠人さん……」
「ん?」
「キス、してください」
修二さんに感じた気持ちとは、少し違う。
何も取り繕うことなく、ありのままの私を見てほしい。
そして、もっと穏やかに、ずっとずっと彼と一緒にいられたらって、そう願う自分がいる。