レッスン ~甘い恋の手ほどき~
私の言葉を聞いた彼は、少し目を見開いて、私の頬を両手で包む。
けれど、その笑顔は、今までで一番穏やかだった。
「華帆、好きだ」
もう一度そう言った後、私の顎に手をかけてゆっくりと近づいてきた。
そっと目を閉じると、唇にほのかな温もり。
それは触れたまま、しばらく離れることがなくて。
だけど、少しも恐怖を感じない。
ずっと、こうしていたいって思ってしまう。
彼とつながる一点に、どんどん熱がこもってくる。
やがて、それが離れたとき、彼が私の顔をのぞき込むから、恥ずかしくなってしまった。
「華帆、俺を信じて。絶対に、お前を泣かせたりしない」
すごく真剣な彼の瞳に、ポロリと涙があふれ出す。
「信じます。悠人さんのこと」
私も、彼が好き。
もしもまた傷ついたとしても、やっぱり彼の隣にいたい。
もう一度重なった唇は、私に深い眠りをもたらした。