レッスン ~甘い恋の手ほどき~
欲しい
その日は、いつも以上にハードだった。
私が休んでいる間に、彼がこなした仕事の量に驚きつつ、まだまだ甘いと思い知らされる。
「片桐、5分後に呼んでくれ」
分単位で動く彼。
今、大きなプロジェクトを抱えているここは、猫の手でも借りたい状態。
「私も行きます」
「ふっ、頼む」
きっと私の体調を気遣って、すこしでも休ませようとしてくれているのが分かって……。
それでも、ここの仲間と一緒に、何かを達成したいという気持ちが高まっていた。
就職してから、こんな気持ちになったのは初めてだ。