レッスン ~甘い恋の手ほどき~

「気持ちを解放してごらん」

あの時、彼はそう言った。


私は、自分の気持ちをずっと押し殺してきた。

「女」であることを否定されるのが怖くて、修二さんに、セックスが辛いことも、言えなかった。
結局彼は、別の女に走ったけれど、それは私のせいでもあったかもしれないって、今はそう思える。

もっと彼に、本音を話していたら、彼は違ったのかもしれない。お互いがお互いを分かっていなくて、すれ違ってしまったんだ。



けれど、そんな後悔もすべて、悠人さんが包んでくれる。
それでいいんだよって、言ってくれる。


皆、失敗して、それ故臆病になって。
だけど、何時かそれを乗り越えた時、きっと成長できるんだ。



後悔するのは、悪いことばかりじゃない。
明日、また、同じ過ちをしなければいい――。





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