レッスン ～甘い恋の手ほどき～

「悠人さん……私……」

「別れるなんて、言うなよ」



その瞬間、胸に痛みが走る。
彼に、何もかも見透かされている。

本当は別れるなんて、言いたくなんかない。こんな私を選んでくれた彼に、ずっとついて行きたい――。

けれど、そうしなければいけないんじゃないかって、どこかで思う自分もいて。
彼がこれだけ悩むのは、きっと私がいるからだ。私が彼の前から消えれば、何もかも丸く収まる。



“本当の恋”



彼は私と、そうしないかって最初に言ってくれた。
そして、それをつかめるかもしれないとも、思った。

だけど、彼には約束された将来があって……。
どうしたらいいの? もう彼から十分すぎるほどの愛をもらった。これ以上は、望んではいけないのかもしれない。



「華帆、俺の前で嘘はつくな。華帆を失うこと以外に、怖いものなんて何もない」

「悠人さん……」