レッスン ~甘い恋の手ほどき~
いい女
「チュッ」
小さなそんな音が耳に響いて、ゆっくり目を開けると、私の頬に彼の唇。
「悪い、起こしたか?」
「いえ。おはようございます」
ずっと私の首の下に置かれたままの彼の腕が、私をギュッと引き寄せる。
「眠れたか?」
「はい」
「そうか。俺は眠れなかったぞ」
「えっ、ごめんなさい」
二人では少し小さすぎるベッド。彼は私を気遣って、眠れなかったのかもしれない。
「あはは、違う。その、あれだ。好きな女が隣に寝てると、緊張する」
「やだ」
私は、その反対だ。彼が私を包んでくれて、とっても安心した。
「まぁ、色々したくなるってのが、本音だけどね」
「悠人さん!」
あははと笑いながら、恥ずかしくなって布団を頭からかぶった私を、ポンと叩いてベッドから降りて行った。