レッスン ~甘い恋の手ほどき~
山積みにされた仕事もはかどらず、溜息をつくばかり。
どうしよう、私のせいで……。
こうなるかもしれないことは分かっていたのに、いざとなると、激しい後悔が私を襲う。
彼と別れていれば……悠人さんは、こんなに窮地に追い込まれることはなかったはず。
いや、それを覚悟で私は――私も悠人さんも――二人で歩いて行こうって決めたはず。
複雑な想いが頭の中を駆け巡って、ギュッと目を閉じた。
「華帆ちゃん、まぁ、お茶でも飲みなよ。ホントはお酒がいいんだろうけど、ここじゃまずいしなぁ」
そう言って笑うのは加藤さんだった。