レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「西川さん。失礼を承知で申します。
あなたは、社会を分かっているかもしれません。でも、本当の愛をご存じない。何もかも犠牲にしても、それでも……欲しいと思うような」
私がそう口を開くと、目を見開いた彼女。
「私も知りませんでした。彼に出会うまでは。だけど、彼が教えてくれたから。
本当は彼の立場とか……私が邪魔したらいけないって、そう思います。私のせいで彼が……と思ったら、震えるほど怖い」
私が彼女を見据えてそう言うと、少し驚いたような顔をしている。