レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「それでも……彼は欲しいと言ってくれたから、私は彼を信じます。
もしも彼が、あなたを選ぶなら、その時は潔く引きます。
それがきっと、本当の愛だから。
西川さん、あなたは一生傍にいる人が、別の人を想っていて、幸せですか?
私は彼を……彼は私を……思い続けたとしても」
「何を……」
言葉を無くした彼女が、突然立ち上がる。
「どうか、見つけてください。あなたを本当に愛してくれる人を。
どんな立場やしがらみも、すべて捨てても傍にいたいと思えるほどの人を」
激しい苛立ちを見せた彼女は、そのまま何も発せずに、出て行った。