レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「華帆だってー」
クスクス笑う部の皆も、悠人さんも落ち着き払っていて。
「華帆ちゃんも、頑張ったんだよねー」
「何があった?」
「あの人が、乗り込んできたんですよ?」
加藤さんが言う“あの人”が誰を指すのか、すぐに気がついた彼は、ハッと目を丸くする。
「かっこよかったねー、華帆ちゃん」
「聞いてたんですか??」
「あはは、聞こえちゃったもんね」
「華帆?」
何が何だか分からないと言ったような顔で私を見つめる彼は、すごく真剣な顔をして、眉間にしわを寄せた。