レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「ごめんなさい。彼女には渡せません。ごめんなさい……」
思わず、そんなことをみんなの前で言ってしまった私。
だけど、皆笑顔で……。
「俺たちも、あの人には渡しませんよ? 深谷さん。俺たち、深谷さんについて行きますから」
「お前ら……」
ふぅっとため息をついた彼が、皆の前で話し始める。
「もう、分かってると思うが……俺は、縁談を断った。だから、会社の合併も危うい。
とりあえず、俺は責任を取って辞めようと思う」
「えっ、そんな……」
驚いて顔を見上げると、それでも顔色一つ変えない彼。