レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「華帆――」
私より2時間ほど遅く帰ってきた彼は、私がいると分かっていたように、チャイムを鳴らした。
そして、ドアを開けた私を、すぐにギューっと包み込んでくれる。
「すまなかった。辛い想いをさせた」
辛くなんかない。現に、彼はここにこうしていてくれるから。
「俺は、この先ずっと、華帆だけを想い続ける。たとえ、何もかも失ったとしても」
きっと誰かに、一部始終を聞いたのだろう。
私の耳元で囁かれるその言葉が、私の胸に響いてくる。