レッスン ~甘い恋の手ほどき~
だんだん分かってきてしまった。
私は、彼のことを最初から、「好き」ではなかったことが。
恋人というものを、演じてみたかっただけなんだと……。
だけど、その交際を、なんとなく続けてきた私。
男の人に抱かれるということが、たった一つの女の証のように思っていたから。
しかも、誰もが羨むような、彼と……。
いつしか、彼は、私の前では笑わなくなった。
外で手をつなぐことも、デートを楽しむことも、ほとんどなくなってしまった。
優しいキスでさえ、ただその手段への一過程と変化を遂げた。