レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「大丈夫ですから、どうぞ行ってください」
「ははっ、そんな訳にはいきません。
ここで行ってしまったら、相当ひどい男ですよ、僕」
その声をきっかけに、彼に視線を移す。
えっ? もしかして?
社内では見慣れない顔。少なくとも、私の知っている社員ではない。
「その代りと言ってはなんですが、後で第3会議室ってとこを教えていただけると助かります」
「第3、ですか?」
驚いた。
私がこれを持っていこうとしていたのが、そこだったから。
そして、その言葉が示す事実に目を見張る。