レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「本当に、気にしないで」
すべての資料を拾い集めた後、そう一言、私に言ったその人は、私がお礼を言う前に、修二さんと一緒に去っていった。
二人の後姿に向かって、頭を下げる。
そんなことしかできなくて。
何やってるんだろう、私。
プライベートを仕事に持ち込むなんて。
これじゃあ、女としてだけじゃなくて、社会人としても失格だ。
そんなことを考えながら、二人の背中を見送る。
修二さんは背が高いのだけれど、並んで歩くさっきの人も同じくらいはあった。
だけど、がっしりしている体系は、スポーツでもやっていたんじゃ?と思わせた。