レッスン ~甘い恋の手ほどき~


給湯室で心を込めてお茶を淹れて、プレゼンの邪魔にならないようにお出しして、私の仕事は終わった。
こんなことしかできないけれど、それでもできるだけのことはしたい。



「片桐君、会議室へ」

「私、ですか?」


やがてプレゼンの終わった課長が帰ってきて、私にそう告げる。



「佐川君が詰めをしている。
もう一度お茶を出してくれる? 先方が君を指定なんだ」

「はい」


私は急いでパソコンのデーターを保存して、会議室へ向かった。



「失礼します」


広い会議室の一角で修二さんと話しをしていたのは、さっきの彼――。








< 36 / 253 >

この作品をシェア

pagetop