レッスン ~甘い恋の手ほどき~
営業部に帰ってきた修二さんが、課長に商談の報告をしている。
「よくやった」
課長のその一言で、深谷さんとのそれが上手くいったのだと分かった。
「あっ、しまった」
自分のデスクに戻ってきた修二さんが、視線を落として、珍しくそんな声を上げる。
彼が手にしたのは、社名の入った大きな封筒。その中身をチラッと見て、やっぱり肩を落とす。
「どうしたんですか?」
「これを深谷さんに渡さないといけなかった。
多分、まだその辺りに……ちょっと出て……」