レッスン ~甘い恋の手ほどき~
何故か近所の喫茶店にいる私。
「僕はブラックを。片桐さんは?」
「えっと、アイスレモンティで」
今日は少し暑かったのに、湯気の立ったコーヒーをすする深谷さん。
「やっぱり、アイスにしておけば……」
「えっ?」
「ちょっと、こっちの方がかっこいいかと思って」
ふふっ
そんな深谷さんの一言で、私の緊張がほぐれた。
「実は、人を探していたんです。僕の片腕として働いてくれる秘書を」
「えっ?」
深谷さんから飛び出した言葉は、私を驚かせる。
そんな話、私にする必要があるのだろうか。