レッスン ~甘い恋の手ほどき~
助けて
キキキー。ガチャっ。
すぐ近所で車が止まる音がして、こちらに走って向かってくる足音。
あの後、彼に押し切られる形で、丁度そこから見えた歩道橋に書いてある住所を呟いてしまった私。
「片桐さん! こんなところに一人で。危ないじゃないですか」
昼間とは違う、ジーンズ姿の彼が、少し険しい顔をして、私を叱る。
「すいま、せん」
だけど、次の瞬間、ふわっと香ってきた爽やかな匂い。
気がつけば、そこは彼の腕の中。