レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「足……」
傷だらけになってしまっていた私の足に目をやると、近くの水道で自分のハンカチを濡らしてくる。
「あっ、そんなこと」
「ダメです。ちゃんと綺麗にしておかないと」
彼がためらいもなく、少し出血していた傷にそれを当てて、丁寧に拭いてくれるから、ひどく驚いてしまう。
「もう、大丈夫かな?」
そう言った深谷さんは、隣に座って、空を見上げながら、再び口を開く。
「聞いたらいけないのかもしれないですけど……こんな片桐さんのことを、放っておけません」
「――はい」