レッスン ~甘い恋の手ほどき~
こんなことまでしてもらっておいて、なんでもないなんて言えない。
だけど、何からどうやって話していいのか、頭の中があの女の裸体で埋め尽くされてしまって、上手く機能してくれない。
「私……ダメな女なんです」
「ダメって? 僕がスカウトしてるじゃないですか?」
隣に座った彼は、少し驚いた顔をして、私の顔を覗き込む。
そうじゃない――
そうじゃないの。
「できないんです……」
「何、が?」
「――セックス」
その言葉を口にしてしまった後、本当に惨めになって、手で顔を覆ってしまった。
こんなこと、深谷さんに言ったって、困るだけじゃない。
分かってる、分かってるけど、もう一人で抱えられない。