レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「間違っていたら、ごめんなさい。彼氏って、佐川君じゃないですか?」
「どうして、それを……」
「あの時、僕にあなたがぶつかった時、彼を見るあなたの目でなんとなく。ただの直観です」
はぁ
今度は深谷さんが大きな息を吐き出して、天を仰ぐ。
「まだ、佐川君が好きですか?」
「分かりません。でも、もう抱かれたいとは思わない……」
彼を好きかどうか、本当はそれも分からない。
ただ、自分が女でいるために、抱いてくれる人が必要だったのかもしれない。