レッスン ~甘い恋の手ほどき~
緊張しながら、リビングに出ていくと、キッチンに立っていた彼。
高そうな、厚いガラスでできたテーブルに、救急箱。
「ここに座って?」
黒い革張りのソファーに座るように言われた私は、緊張の面持ちのまま、そこへ腰かけた。
「ちょっと我慢して」
そう言いながら、そこに跪いた彼は、私の足を丁寧に消毒してくれる。
私が、痛みでビクッと震える度に、心配そうに私の顔を覗き込む。
「これで大丈夫。何も心配しないでください。震える女性を、無理矢理どうこうする趣味はありません」
彼が、救急箱を片付けながら投げかけてくれた言葉には、優しさが詰まっていた。
私の心配もお見通しな彼に、驚いたけれど。