レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「片桐さん、ワイン、飲めますか?」
「少し、なら」
彼が出してくれたワインは、すごく甘い匂いがする。
「これなら、女性にも飲みやすいかと」
そう言われて一口、口に含むと、ふんわり甘くて、少しだけ渋い大人の味。
「あのっ、ここに一人で?」
「残念ながら、妻はいませんので」
クスッと笑う彼は、私にまたワインを注いでくれた。
私と90度の位置に座った彼は、自分もそれを口にすると、ゆっくり口を開く。
「片桐さん……全部ぶちまけてみませんか? 僕なんかじゃ頼りないって、分かっています。だけど、時にはそういう事だって必要です」