レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「俺が変えてみせる」
彼の手が私の頬に伸びてきて……。
「この唇を、誰からも魅力的だと嫉妬されるほどに、変えてみせる」
私の下唇に指を這わせて、そう言う彼に、息をのむ。
「ゆっくりでいい。俺のことを見てくれないか? ――華帆」
彼の濡れた唇から、私の名が吐き出されたとき、今までに感じたことのないような衝撃が私を襲う。
「私……私で、いいの?」
「華帆が俺を変えてくれたんだ。華帆でないと困る」
彼がそう言ったとき、一粒の涙がこぼれていった。