レッスン ~甘い恋の手ほどき~

終わり



ワインの酔いもあったのか、彼の腕の中でまどろんでいるうちに、何時しか眠りについていた私。


カーテンの隙間から、チラチラと降り注ぐ太陽の光に気がついて、ようやく目を覚ました。



「あっ……」


見慣れない景色をぐるっと見渡して、やっとここが深谷さんの部屋だということに気がついた。


大きなベッドに、ピンと糊のきいたシーツ。
ほんのり彼のにおいの残る、この空間。


「起きた?」

そのとき、寝室のドアが少しだけ開いて、深谷さんが顔を出す。


「あのっ、私……すいません」

「もう、謝らないって約束して。俺まで謝りたくなる」


クスクス笑いながら近寄ってくる彼は、ベッドの端に腰掛けた。





< 91 / 253 >

この作品をシェア

pagetop