レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「ぐっすり眠れた?」
「――はい」
あんなことがあって、眠れたのが不思議なくらい。
深谷さんの温もりが、私を癒してくれたのかもしれない。
「あっ、会社」
「今日は休みなさい。行っても君が傷つくだけだ」
正直言って、そういってもらうことで、少し罪悪感が薄れる。
プライベートなイザコザを、仕事に持ち込むことのためらい。
だけど、もうそんなことを言っていられないほど、私の傷は深くて――。
キリキリ痛む胸の傷が、私を締め付けてくる。
苦しい。息ができないような苦しさが私を襲う。