SCHUTZENGEL ~守護天使~
 ギルがマントをひるがえした途端、辺りは暗闇に包まれた次に何もない空間に変わる。

「私にこれで戦えと言うのか」

 着ている服を示すように肩をすくめた。

 風呂上がりだったため、かなりの薄着だ。

「あら、ごめんなさい。じゃあ、これでどう?」

 女が右手をサッと振ると、デイトリアの服が一瞬のうちに変わった。

「いいだろう」

 中世風でもなく、どこか異世界を思わせる魔物風味の服装に小さく溜息を漏らしたが、とりあえずの納得をする。

「心配するな、殺しはしない。おまえを飼い慣らすためにな」

 ネイルは腰に提げている大きな剣を抜いてその切っ先デイトリアにを向けた。

 余裕の表情を見せて鼻で笑う。
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