SCHUTZENGEL ~守護天使~
「もう終わりか」

「きっ、貴様あぁー!」

 余裕の笑みを見せられ、怒りにまかせて剣を振り回した。

「バカが、相手のペースに乗せられやがって」

 少年はチッと舌打ちをした。

「無理も無い、今まで奴の剣を受け止めた者はいないんだ。動揺しているのはネイルだけじゃない、我々だってにわかに信じがたい」

「そうね、私たちだって真正面からネイルの剣を受けきれるかどうか疑問だわ」

 三人が三人とも苦い顔をした。

「しかし、受け止めるだけではだめさ。このままいけば先にへばるのは奴の方だ。所詮は人間、体力にも限界がある」

 ファリスは冷静に人間と魔物の違いを判断した。

 どうやらこの魔物は人間についてある程度は調べているようだ。
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