SCHUTZENGEL ~守護天使~
◆第四章~決断の時
*その強さ
黒くすすけた体がゆっくりと傾いていく。
「ネイル!?」
倒れた男はぴくりとも動かず、魔物の三人は目の前の光景に信じられない面持ちだった。
「おまえは何者だ。ネイルをこうも易々と倒すなど──っ!?」
デイトリアはファリスの問いかけにゆっくりと頭をもたげ、美しい笑みを浮かべる。
その、妖しく冷たい表情に引き込まれそうになる。
それぞれは頭を振り、その意識から逃れた。
「ちょっと、これってヤバいんじゃないの? 人間だと思って甘く見過ぎていたわ」
「くっ……。少々遊びが過ぎたらしいね」
「デイトリアス、またいつかお目にかかろう」
悔しさをにじませながら低くつぶやいて姿を消し去る。