SCHUTZENGEL ~守護天使~
*始まる叫び
「魔王につけ」
「それを言いに来たのか」
ご苦労な事だと肩をすくめる。
「返事は」
「聞く必要があるのか」
しれっと答えたデイトリアにルーインは目を吊り上げた。
「まったく、なんだって貴様はそんなムカツク言い方をするんだ」
「むしろこの状態に疑問を持つべきだと思うが」
その言葉にしばらく考えていたようだが、それもそうかと納得した。
「そうだったな。今までのことがあった故につい貴様に乗せられた」
デイトリアは、人のせいにするのかと目を据わらせる。
それから、互いを牽制するようにしばらく沈黙が続いた。
「魔王が動かない理由は私にあるようだな」
「殺してやろうか」
眉を寄せ、デイリトアの勘の良さに舌打ちする。