SCHUTZENGEL ~守護天使~
「仕方ありません。元々は人間だったのですから手間取るのも当たり前です」

 なだめるようなファリスの言葉の端々には、やはりどこか人間を小馬鹿にしているものが含まれていた。

 マリレーヌは二人を見やると上品にかつねっとりと笑みを浮かべる。

「ウフ、やっと人間界が私たちのものになるのね。うれしいわ、こんな陰気くさい所とはおさらばよ」

 そう簡単に行くといいがな……。

 ルーインは魔将たちを一瞥して心中でつぶやいた。




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