SCHUTZENGEL ~守護天使~
*大地のあぎと
「さ~て、お返事聞かせていただけないかしら?」
久住はマリレーヌの鼻につく物言いに眉を寄せながらも、その背後にひしめく魔物に生唾を呑み込む。
どす黒い意識がまさに視界一面に広がっている。
交渉は無駄だと踏んだのか数に物を言わせてきた。
「マジかよ。こんな数、どうしようも──」
つい消極的な発言にハッとして隣のデイトリアを見やる。
「己だけを守っていろ」
「なに言ってんだよ。魔物どもはデイに集中するに決まってんだろ」
「その方が都合が良い」
こんな状況にもかかわらず抑揚のない声色に久住は目を丸くした。
そして、改めて魔物を見回す。
まさか、これだけの数を倒すって言うんじゃないだろうな……。