SCHUTZENGEL ~守護天使~
*重圧
──魔界
「それでのこのこと戻って来たのか?」
「申し訳ありません。まさかあそこまでの力を持っていたとは」
マリレーヌは玉座に腰掛けるガデスの前にひざまずき、悔しげに応えた。
しかし、ガデスはそんなマリレーヌに冷たい視線を落とす。
「油断するなと言わなかったか。人間界が欲しいんだろう?」
「お言葉ですが──」
見ていられなくなったギルが横から割って入る。
それは同情心や優しさというものではなく、上位である自分たちに元人間が居丈高(いたけだか)に口を開くことに苛立ちを感じただけだ。