SCHUTZENGEL ~守護天使~
──以前、訪れたビルの地下。
事は深刻なようだった。
皆が一様にデイトリアを睨んでいる。
「その様子では、まだ君の所には奴は現れていないようですね」
キャステルは重々しく眼前のデイトリアに口を開く。
「一体どうしたんですか?」
いつになく真剣な面持ちのキャステルと張りつめた空気に久住は耐えきれず質問した。
キャステルはそれに答えるでもなくエルミに視線を移す。
「エルミ、お久しぶりです。共に影から世界を支えていた仲間が突然、我々の前から姿を消したのには驚きましたが、まさか魔物の王のことを我々ではなく、彼のみに話していたとは心外でしたよ」
「ごめんなさい」
「そのことについては言及しません。あなた方二人の間には、我々の知らない関係があるのでしょう」