SCHUTZENGEL ~守護天使~
 静かに問いかけたデイトリアの瞳にキャステルは目を丸くした。

 常に冷静なキャステルでさえそれを聞いた時にはさすがに声を荒げたというのに、たったいま耳にしたデイトリアの平静さに眉を寄せる。

「どうするつもりだ。まさか奴らの言葉を真に受けて大人しく捕まるっていうんじゃないだろうな? そんなことをさせるとでも思っているのか」

 佐伯は半ば怒鳴るようにデイトリアにくってかかった。

「狙いは私なのだ。行かねばなるまい」

「何をばかなこと言っ──」

 胸ぐらを掴もうとした佐伯の手が止まる。
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